難病ALS(筋萎縮性側索硬化症)を知ってもらうために。

身体が動かなくなっていく難病ALS(筋萎縮性側索硬化症)を46歳で発症した夫を通して学んだこと。

ALS(筋萎縮性側索硬化症)患者を介護するポイント①

 私の夫はALS(筋萎縮性側索硬化症)という神経難病です。

ALS(筋萎縮性側索硬化症)は筋肉を動かすという指令を伝達する運動ニューロンが障害されてしまう病気です。

 筋肉を動かす伝達がうまく行かないため、筋肉を動かすことができず、筋肉は次第に痩せてしまいます。

進行が進むと、腕や脚を動かすことができなくなります。

 さらに、ALS(筋萎縮性側索硬化症)の進行は身体全体に進み、手足のみならず、喉、舌の筋肉の痩せから、話せない、呑み込めないという障害が出てきます。

 さらに、呼吸筋も動かなくなると、自発呼吸ができなくなり、ALS患者は人工呼吸器による延命を行うかどうかを選択しなければなりません。

 

【ALS患者の介護と高齢者介護の違い】

 ALS(筋萎縮性側索硬化症)の介護は高齢者の介護とは異なる面があります。

それは、高齢者は高齢に伴って介護状態となるのに対し、ALS(筋萎縮性側索硬化症)は病気の進行によって介護状態になることによる違いです。

それほど大きな違いに感じないと思いますが、実は大きな違いがあります。

 

 まず、ALS(筋萎縮性側索硬化症)の場合、発症に伴って身体が動かなくなってきます。

発症部位は患者により異なり、手足の指先からの発症や、話しにくさ、飲み込みづらさから発症することもあります。

 発症後、しばらくすると要介護状態になり、身体介助や食事面の介助が始まります。

しかし、ALS(筋萎縮性側索硬化症)は知能、思考、触覚は障害されません。

 身体は動かなくなるけど、痒さ、痛みはしっかり感じ、また、発症以前と同じように考えることができるのです。

 なかには、高齢になってからのALSの発症の場合、認知症を伴うこともありますが、おおくの場合、認知症のような問題行動はあまり起きません。

 身体は動かなくなっていくけれど、思考はクリアな状態というところにALS(筋萎縮性側索硬化症)の介護の難しさがでてくるのです。

 

【進行性の難病ALSを介護するポイント 進行初期編 】

・ 先を考えて行動する

  ALS(筋萎縮性側索硬化症)の進行は早く、一度筋力低下を感じた部位はみるみるうちに筋肉が痩せ、可動域が狭くなっていきます。

 「昨日できたことが、今日は出来ない」そういった場面が何度も訪れるのです。

例えば、ズボンを立って履いていたのに、今日はよろけてしまい転んでしまったというように、小さな変化が大きな怪我につながることがあるのです。

 そんな変化に対応づるためには、「先を考えて先手を打つ」ことが大事です。

≪具体例≫

・着替えスペースには椅子を用意し、いつでも座って着替えられるように置いておく

・歩くときに足がひっかかるものがないか、歩く導線を見直してみる(荷物、カーペットなど)

・使っている食器や歯ブラシなど、使いやすいもの、軽いものに替えていく。(プラスチックのスプーン、フォーク、ストローなど)

・今まで出来ていたから、ずっとできると思わず、困っていることが無いか、日ごろから感じ取るようにする。

食べやすい食事形態を探し、呑み込みやすい食事を作る

・栄養補助食品等も積極的に使ってみる

 

ALS発症初期はまだまだ日常生活を自分の力で送ることができる時期です。

しかし、少しずつ筋力は低下しています。

無理をして筋肉に疲労がたまらないように、先回りをして準備を始めるとよいかと思います。

 

・ 積極的に情報を集める

 ALS(筋委縮性側索硬化症)はまだまだ解明されていないことの多い病気です。

医療として行えることも少なく、医者も多くの事を教えてはくれません。

患者本人や家族が積極的に情報を収集することが必要です。

 

≪具体例≫

・ALS(筋萎縮性側索硬化症)の患者会、家族会の情報を得る

・治験情報を集める

・日常の生活していくコツなどを調べる

 

患者会はALS(筋萎縮性側索硬化症)の患者さんや家族と会って話せる貴重な機会です。

各県に支部がありますので、参加してみるのも良いと思います。

 

ALS(筋萎縮性側索硬化症)に関しては、現在も研究が進み、治験も多く行っています。

治験の多くは発症初期の患者を対象にしていることも多いので、ぜひ調べながら、参加できそうなものは主治医に相談してみましょう。

 

ALS(筋萎縮性側索硬化症)は進行性の病気であるとともに、その進行速度や発症部位などは個人差が大きいです。

 そのため、日常生活における不自由な面もその患者の年齢や家族構成、家庭環境によって大きく変わります。

 インターネットなどを使って、様々な情報を発症初期から得ることで、今後起こり得る障害や不自由にも迅速に対応することができます。

 

 ALS(筋萎縮性側索硬化症)患者を介護するポイントの続きは次回になります。

 

 




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