難病ALS(筋萎縮性側索硬化症)を知ってもらうために。

身体が動かなくなっていく難病ALS(筋萎縮性側索硬化症)を46歳で発症した夫を通して学んだこと。

電動歯ブラシを使ってみて ALS(筋委縮性側索硬化症)になってためしたこと

 ALS(筋萎縮性側索硬化症)は身体の筋肉と自由と食べること、話すこと、呼吸をすること奪っていく神経性の難病です。

 発症すると、手足の筋肉が痩せ、動かせなくなります。

喉や舌の筋力低下により、話すことができなくなり、食べ物を飲み込むことが難しくなっていきます。

 

 徐々に変わっていく身体でも日常生活を送れるように、色々な道具を工夫して生活していきます。

 

 今回は、手の動きが悪くなってから使い始めた電動歯ブラシです。

 

電動歯ブラシを使うようになったきっかけ】

 電動歯ブラシを使うようになったきっかけは、腕の筋力低下により、歯ブラシで歯を磨くと疲れてしまうからです。

元々右利きの夫ですが、右手から発症したためすぐに右手が上がらなくなり、左手で歯磨きをするようになりました。

 そして、左手にALS(筋萎縮性側索硬化症)の症状が出始めると、左手で歯磨きをしていると疲れてしまうようになりました。

 口元まで腕を持ち上げること、細かく前後左右に動かすこと、これができなくなったので、電動歯ブラシに切り替えることにしました。

 

 

電動歯ブラシに変えてから変わったこと】

普通の歯ブラシから、電動歯ブラシに変更してから変わったことがあります。

 

・ 歯磨き時間が大幅に短くなった

 電動歯ブラシは細かく動き、効率よく歯磨きが出来るので、歯磨きをしている時間がとても短くなりました。

 もともと15分くらいかけて歯磨きをしていたのが、5,6分に短縮です。

歯磨き時間が短くなったことで、少し眠る時間も早まり、また、腕の疲労もかなり軽減されました。

 

・ 腕の疲労が減った

 普通の歯ブラシで一番大変だったのが、腕を上げ続けながら歯ブラシを動かし続けることによる疲労です。

 電動歯ブラシを使うことによって、歯磨き時間の短縮から腕の疲労が減りました。

また、細かく歯ブラシを動かす動きも、手の筋力低下により難しくなっていました。

電動歯ブラシを歯に当てるだけで、細かく振動し、歯磨きができます。

細かい動きができなくなった時にはとても助かっていました。

 

・ 隅々まできれいに磨けるようになった

 手の動きに制限が出ると、歯の奥まで磨きにくそうでした。

腕を口の高さまで持ち上げているだけでも精一杯なので、その奥までは難しいのです。

電動歯ブラシならば、細かく磨いてくれるのます。

 

・ 歯磨き粉の使用量が減った

 電動歯ブラシはかなり細かく振動するので、たくさん歯磨き粉を付けると、唾液と一緒に飛び散ってしまうようです。

 少量を付けるくらいでちょうどよい。

なので、歯磨き粉も長持ちします。

 

 

電動歯ブラシを使うメリット】

 電動歯ブラシのメリットは何より歯磨きの手軽さです。

ALS(筋萎縮性側索硬化症)は筋肉が痩せて動かなくなっていく病気です。

普通の歯ブラシを持ち、細かく動かす動きはだんだんと出来なくなっていきます。

次第に嫌になって、面倒になってしまうのです。

 それが手軽にできる電動歯ブラシ

ALS(筋萎縮性側索硬化症)の進行を手や腕に感じ始めたら、導入するべきです。

 

電動歯ブラシのデメリット】

 手軽に歯磨きできる電動歯ブラシにもデメリットがあります。

それは、重さ。

電動歯ブラシの重さは約100g前後です。

それほど重くないのでは?と思いますが、ALS(筋萎縮性側索硬化症)によって筋力が低下している腕には少しでも軽い方が負担が少なくなります。

重さのほとんどがバッテリーですので、軽い電動歯ブラシだと充電してからの使用時間が短くなってしまうこともあります。

 

電動歯ブラシを購入するときのポイント】

電動歯ブラシを購入するときに考慮したほうがいいポイントです。

 

・できるだけ軽い電動歯ブラシを選ぶ

 ALS(筋萎縮性側索硬化症)の患者にとって重さは重要です。

バッテリーの容量による使用時間の長さよりも、軽くて腕に負担のない重さのものを選びましょう。

できるだけ、筋肉に負担を掛けないことが大切です。

 

・ブラシの動きを確認する

 電動歯ブラシのブラシの動きは2種類あります。

回転する動きと前後の動きです。

ブラシを回転させて磨く電動歯ブラシは、歯と歯の間などどうしても磨き残しが出てしまうようです。

 前後に動く電動歯ブラシの方が、歯と歯の隙間や歯茎付近、奥歯までしっかり磨けます。

電動歯ブラシのブラシの動きもチェックしましょう。

 

 

・替えブラシの購入しやすさを考慮する

 電動歯ブラシでもブラシは消耗品です。適宜、交換する必要があります。

ALS(筋萎縮性側索硬化症)患者は、自分で買い物に行くことも難しくなります。

消耗品である替えブラシも簡単に購入できる品、介護者でも購入できる品であることも大切なポイントです。

 

【まとめ】

 歯は一生ものです。食べるためになくてはならないもの。ずっと自分の歯で食べていくためには歯磨きは欠かせません。

ALS(筋萎縮性側索硬化症)の患者は腕や手の筋力が低下し、歯磨きですら、疲労を感じてできなくなってしまいます。

そこで歯磨きをあきらめるのではなく、また、介護者に歯磨きをしてもらうのではなく、できる限り自分自身で歯磨きをするために電動歯ブラシを導入しましょう。

 軽い電動歯ブラシを選ぶことによって、しっかりきれいに歯を磨けます。

何より、自分で磨ける安心感。

それを叶えてくれるのが電動歯ブラシです。